見失う自分・逃げる自分

実は何も見えてないんじゃないか。

この目に見える風景は実は幻想を写す映写機なだけであって、

暗いところで一人ぼっちで座っていたあの頃の映写機を

僕は色んな光にキョロキョロしすぎて蹴飛ばして、

見ようともしてこなかったんじゃないのか。

成長していった自分の身長と共に、

見える世界が変わっていって。

昔の映写機がある事も忘れ、

五感の表面に届くものだけに体を操られていった。

本当の映写機が人のどこにあるのかも知らずに。

本当の映写機が自分のどこにあるのかも忘れて。